●心の中の森を行く●

生きた証を残したい。私が言葉を忘れる前に

夫が酷いパワハラでどんどん憔悴する中 私は腰痛で動けなくなった

f:id:samarka:20190713152804j:plain

 15年前。

外資系を渡り歩いてた夫が、更に上を目指して転職をした頃だ。採用するしないで、日本支社と海外の本社とで意見が合わず、結論が出るまでにひと悶着。最終的には日本の採用担当者の意見が通り、半年間の試用期間が設けられた。ところが日本側担当者が病気になり、夫の最大の後ろ盾がなくなってしまったんだな。

 

そこからが大変だった。夫の直属の上司があからさまなパワハラを掛けて夫を辞めさせようとし始めた。一例をたとえばなしで書くなら、「お前の近所のコンビニで、弊社製品が何個売れてるか毎日数えてこい」みたいな命令だ。

夫の消耗は当然のことだけど、私も相当堪えた。

半年後には無職になるだろう。この歳で失職したら次はないんじゃないか。私は脳血管奇形で障害者になる可能性が高い。しかも夫婦の年齢差が大きい。夫の老齢年金だけで食わなきゃいけない期間が長い。しかも夫が死んだあと、平均寿命から考えたら、私は20年間ひとりで暮らすことになる。

どんどん壊れていく夫を見ながら、私は私で絶望していた。いま思えば極端なほどに。

 

そんなある日、立ち上がれないほどの腰痛が起こった。ぎっくり腰ではない。でも、身体をくの字にしないと歩けないほどの痛みが長く長く続いた。整形外科で腰の牽引を受けたけど全然ダメだ。電気を当てても気持ちいいだけだった。

 

痛みが収まったのは、夫の再就職が決まった時だ。

 

整形外科で言われていたのは、太り過ぎているので腰への負担が大きいせいだ、やせなさい。これ一点。確かにそうだろうなとは思った。夫の再就職が決まった時に痩せてたかというと全然そんなことはない。身体に掛かる負荷はそのまま。なのに、紙をぺらっとはがすように痛みは消えた。

以来、腰が痛むことはなくなった。15年経って老化している身体であるにもかかわらず。

 

有名な本『ヒーリングバックペイン』に書いてあるのと同じことが起こってたんだろう。

しつこい痛みを引き起こすのは、悲しみや怒りや恐怖を無意識に抑圧し、その感情から意識をそらせるために、身体のどこかに痛みを引き起こすのだという。

 

失業への恐怖、老後資金への不安、理不尽な上司への怒り、転職なんて無謀なことをした夫を攻めたい気持ち。これらを全部私は心の中に思いっきり押しこめていた。憔悴している夫にこんなことをぶつけるわけにはいかんもんね。

 

痛みに耐えている間は、もう自分のことで精いっぱいだ。歩いて3分のところにある整形外科に15分掛けて通ったくらいだ。すり足で歩くから時間が掛かったんだとにかく。あとはずっと家で寝てた。

 

気持ちが身体に与える影響の大きさを痛感した。

 ----------

15年後の今、実はまた原因不明の痛みに悩まされ続けている。

左胸部の痛みに悩まされるようになってもう1年半だ。痛みは突然現れた。ぶつけたり転んだりしたわけじゃない。場所は左の一番下のろっ骨の上くらいだ。

骨密度測定もしていたけど、標準よりも少し密度が高いという判定だ。くしゃみや咳で骨折することも考えられない。

しばらく様子を見たけど全然治らない。呼吸をするのも寝返りを打つのも痛い。目が覚める程に痛い。

 

原因が骨だとは限らないので、とりあえず総合病院に行った。レントゲンだけでなく、心臓が大丈夫かを確かめるために心電図もとった。どちらも異常なし。医者も「分からん」と一言。結局何の痛みなのか分からず時が過ぎた。

 ----------

さらに、手首のねんざの痛みも長く続いている。

この4月に与那国島に行った。日本の最西端にある沖縄の離島。「ドクターコトー診療所」というドラマ撮影が行われた島だ。

着いてすぐにバイクで転倒し、両手首を捻挫してしまった。すぐに本当の与那国診療所に向かった。骨は折れてない。湿布を渡されて戻り、湿布の上から冷蔵庫の氷で冷やしまくった。まあまあ痛いなりにも生活に支障がない程度ではあった。

 

ところが、あれから3カ月経とうとしているのに痛みが引かないんだよ。

年齢のせいもあるんだろう。子供の時のようにすぐにけろっと治ったりはせんだろうと私も思ってた。それにしても長い。一体どうしてた。

手首を酷使する仕事をしてる訳ではない。家事は夫がほとんどやってくれている。

なのに痛みが引かない。

手首もろっ骨周辺の痛みもずっとそのままだ。

 ----------

ふと、以前通っていた よく効くことで有名な鍼の先生を思い出した。3度通い、ろっ骨周辺の神経を締めつけている背中の筋肉をゆるめてもらい、両手首にも鍼を打ち、痛みが比較的マシだった右はほぼ大丈夫になった。

その先生は「○度目で治らなかったら別の病気かもしれないから、鍼以外の方法も考えた方がいい」と最初に伝える先生だ。私の肋間神経痛に関しては3度目だと言われた。

 

ところが治りきらない。最盛期の半分以下にはなったけど、まだダメだ。このままもう1回行くか迷っていた昨日、昔読んだ『ヒーリングバックペイン』を思い出し、いま読んでいる最中だ。

 

ひょっとすると今回の肋間神経痛が治らないのも、心の中に何かネガティブな感情を抑え込んでいるからではないか。本を読み返し、思いつくことを紙に書き殴り、自分の気持ちの奥を探ろうとしている最中だ。

 ----------

そういや、昨年から今年にかけての冬は、狭心症のような症状に悩まされてた。心臓には全く異常がない。こちらはあっさりと解決した。私が仕事量を減らしたことであっさりと心臓は楽になったからだ。

 

当時の心境はこうだった。

「私は障害年金をもらう身になった。健常者じゃない。人生の時間は短いかもしれない。もう無理に働くよりも、いつ脳出血をしても後悔がないよう、仕事なんかしてる場合じゃない、やりたいことを早くたくさんやらないと。

あああ!なのになんで今日は仕事なんだよ、カネよりも時間をくれよ。食えればそれでいいんだよ。誰か代わってくれよ、仕事あげるから代わりに行ってくれ!」

 

で。

今回の肋間神経痛の原因、簡単なねんざがいつまでも治らない原因。

今回は困ったことに、これといってはっきりした出来事が浮かばない。

 ----------

さっきふと心に浮かんだのは、

「私の身体には価値がない」

この一言だった。

 ----------

なぜそんなことを思うのか。

夫の仕事は順調だ。65歳になった今、自室をオフィスにして仕事を請け負って好きな仕事をしている。夫婦仲も良い。痛みに悩まされる前から家事は率先して夫がやってくれている。今の私を悩ませている原因は何だろう。

これが分かった時に、私の身体の痛みはまた消えてなくなるのかも知れない。

 

肩こりや腰痛を発症するのは、責任世代の40~50代が多いそうだよ。

 

心の痛みが身体に与える影響はかくも大きいものなのか。

 ----------

でも、長く続く痛みが全て心のせいとは限らないので、まずは必ず病院へ行って下さいね!

もし鍼灸などの東洋医療の門をたたくなら、効果がなく不愉快な思いをしないよう、私の個人的経験から鍼灸院の選び方のポイントを別ブログにまとめました。なんかの参考になれば幸いです。

yakusugi.net

にほんブログ村 病気ブログへ
にほんブログ村