2018-01-01から1年間の記事一覧
この1年半で私は45キロ軽くなった。 これまで何度も何度もダイエットを試みてはきた。何とか10キロ痩せたというのに、いつも何かのはずみで気持ちが緩み、また体重は元に戻っていく。基礎代謝が高い若い時でさえそうだった。 人生の一時期を除けば、私はと…
障害者を両親に持つ女子高生にとって、大学への進学にはとても大きな壁が立ちはだかっていました。 一番の壁は親戚の大反対。その理由は3つ。 ①普通の家庭でも、女の子は高卒もしくは短大に進学する。せいぜいお嬢様女子大。四年制の国立大学に進学するなん…
前回の記事を書いてからもう随分経った。 誰も通らない草むらから転げ落ちてきた子猫は、長寿猫の表彰を受けて程なくして亡くなった。今はその賞状を背にして、骨壷の中で静かに座っている。抱き上げると、ひんやりとした陶器の壁に当たって無機質でかそけき…
移動火葬車の窯が開いた。 「ここはこいつと最初に出会った場所なんだ。だからここで見送ってやりたくて」 ぬいぐるみのように軽く、軽石のようにごつごつした身体を抱きしめながら、私は家族の話をじっと聞き続けていた。 ここは幹線道路からほど遠くない場…
スマホがない。デジカメない。スマホは当然あるわけない。ネットもない。コンビニない。LINEって何だよ線のこと?・・・私が独り旅を始めた1985年の日本はこんな感じだった。 出来事で振り返ってみるならば、日本航空機が御巣鷹の尾根に墜落して世界最大の航…
人生はパラグライダーで空を飛ぶのに似ている。 飛ぶためにはまずどこかに登らねばならない。これが子供時代。 子供の頃から夢や人生の目標が明確な子達は、周囲の助力や助言をもらいながら、自らの意思で山を登り、方角を定め、山肌を蹴るタイミングを冷静…
お気の毒な家庭と思われていたであろう我が家も、私が小学生の頃まではそれなりに平穏で居心地も悪くなかった。そんな家庭内バランスが崩れ始めたのは、私が中学生になってすぐのことだ。 その頃の母は正社員の仕事を得て我が家の大黒柱になっていた。詳しい…
我が家には、とあるドキュメンタリー番組を録音したカセットテープと写真の束が残っている。当時は一般家庭にビデオデッキなどはなく、番組を保存するためには、カセットテープで音声を録音し、カメラでテレビ画面の映像を撮影するしかなかったのだ。 障害者…
「海外での独り旅を通じて自分がどんな人間なのか知りたいだと?なぜそんな危険なことを?親御さんはなぜ止めないんだ。非常識じゃないか。娘が可愛くないのか?」 「別に海外でなくても、自分と向き合える場所なんていくらでもあるでしょうに。友達とわいわ…
十代後半から二十代半ばの数年間は、人生の方向性を決定づけるほぼ最後の時期だ。高校生の頃の私はそう思っていた。だから、時間とお金を自分の裁量で使えるようになる時期(大学生)がきたら、絶対に海外独り旅をしようと決めていた。 地縁も知り合いも皆無…
今週のお題「おかあさん」 これから打ちこもうとしているのは私の娘が書いた文章です。 タイトルは「お誕生日」。 娘は17歳でこの世を去りました。 つたない文章ですが、そのまま転記したいと思います。パソコンの中に残っていた文章です。 ************* 大…
今週のお題「自己紹介」 人はひとりでは生きられない。確かにそれは事実だと思う。身の回りのことを全部人の手に委ねて生きている乳幼児の頃は勿論のこと、学生時代・社会人生活・定年後の暮らし、そしてこの世を去る瞬間まで、我々は他人と何らかのかかわり…